「布団に入ってもなかなか眠れない」「夜は眠れないのに、日中はだるさや眠気を感じる」と悩んでいませんか。
寝つきの悪さには、生活リズムや夜の過ごし方、ストレス、光や室温などの睡眠環境が関係している場合があります。
この記事では、寝つきが悪くなる主な要因と、薬以外で取り入れられる生活習慣やセルフケアについて解説します。
ただし、睡眠の問題が長く続いている場合や、日中の生活に支障が出ている場合は、セルフケアだけで解決しようとせず医療機関へ相談することも大切です。
寝つきが悪い状態とは
寝つきが悪いとは、眠れる環境が整っているにもかかわらず、なかなか眠りにつけない状態を指します。
眠りにつくまでにかかる時間には個人差があるため、「何分以上なら異常」と一律に判断することはできません。
不眠症では、寝つきにくい「入眠困難」のほか、夜中に何度も目が覚める「中途覚醒」や、予定より早く目覚める「早朝覚醒」などがみられることがあります。
慢性不眠障害では、こうした睡眠の問題と、それに伴う倦怠感や集中力低下などの日中症状が週3回以上、3か月以上続くことなどが診断の目安になります。
期間が短い場合でも、強い眠気や気分の落ち込みなどによって生活に支障が出ている場合は、早めに医療機関へ相談しましょう。
寝つきが悪くなる主な原因
寝つきの悪さには、ひとつではなく複数の要因が関係することがあります。代表的なものを確認してみましょう。
ストレスや考えごと
仕事や人間関係などへの不安が続いていると、寝床に入ってからも考えごとが止まらず、眠気を感じにくくなることがあります。
「早く眠らなければ」と意識するほど緊張が強まり、かえって眠りにくくなる場合もあります。
夜のスマートフォンや明るい光
夜遅くまでスマートフォンやパソコンを使用すると、画面から入る明るい光によって睡眠・覚醒リズムに影響が出ることがあります。
特に寝床で長時間スマートフォンを見る習慣がある方は、就寝前の使い方を見直してみるとよいでしょう。
生活リズムの乱れ
起床時刻や就寝時刻が日によって大きく変わる生活は、体内時計と生活時間のずれにつながる場合があります。
在宅勤務などで通勤する必要がない場合も、起床時刻を大きくずらさないことが大切です。
カフェインやアルコール
コーヒーや緑茶、紅茶、エナジードリンクなどに含まれるカフェインには覚醒作用があります。
カフェインの影響を受けやすさには個人差がありますが、寝つきが気になる場合は夕方以降の摂取を控えてみましょう。
また、アルコールを飲むと一時的に眠気を感じることがありますが、夜間の睡眠が浅くなったり、途中で目覚めやすくなったりすることがあります。寝酒を睡眠対策として習慣化することは避けましょう。
睡眠環境が合っていない
明るすぎる照明、騒音、暑さや寒さなども睡眠を妨げる要因になります。
快適に感じる温度には個人差があるため、特定の数字だけにこだわらず、暑すぎず寒すぎない寝室環境を整えることが大切です。
寝つきが悪い状態が続くと日中にも影響することがある
十分な睡眠を確保できない状態が続くと、日中の眠気や疲労感、集中力や判断力の低下などにつながることがあります。
仕事や家事に集中しにくくなる
睡眠不足が続くと、日中に眠気を感じたり、集中しにくくなったりすることがあります。
仕事中のミスが増えた、ぼんやりする時間が増えたと感じる場合は、睡眠時間だけでなく睡眠の状態も振り返ってみましょう。
気分に影響する場合がある
睡眠の問題は、イライラや気分の落ち込みなどと関連することがあります。
眠れない状態と強い気分の落ち込みが続いている場合には、単なる睡眠不足と決めつけず医療機関へ相談することが大切です。
健康状態との関係にも注意する
慢性的な睡眠不足や睡眠障害は、さまざまな健康問題との関連が指摘されています。
一方で、眠れない背景に別の病気や睡眠障害が隠れていることもあるため、長引く場合は原因を自己判断しないようにしましょう。
眠れない・寝つきが悪いときに試したい改善方法12選
ここからは、生活の中で取り入れやすい睡眠対策を12個紹介します。
すべてを一度に始める必要はありません。自分の生活に取り入れやすいものから無理のない範囲で試してみましょう。
1.就寝前のスマートフォン使用を減らす
寝る直前までスマートフォンやタブレットを見る習慣がある場合は、使用時間を少しずつ減らしてみましょう。
寝室へスマートフォンを持ち込まない、ベッドから離れた場所で充電するなどの方法もあります。
2.夜は照明を明るくしすぎない
就寝前は日中ほど明るい照明を必要としません。
夜は照明を少し落とし、寝るときにはできるだけ暗く静かな環境をつくるとよいでしょう。
3.就寝の1〜2時間前を目安に入浴する
就寝前の入浴は、入浴後の体温変化を通じて入眠しやすい状態づくりに役立つことがあります。
極端に熱いお湯は身体への負担になるほか、かえって目が覚める場合があります。自分が心地よいと感じる温度で無理なく入浴しましょう。
4.寝室を暑すぎず寒すぎない環境にする
室温や湿度、寝具が合っていないと、寝苦しさにつながります。
季節や体調に合わせてエアコンや寝具を調整し、自分が快適に眠れる環境を整えてください。
5.ゆっくりした呼吸でリラックスする
寝る前に緊張していると感じる場合は、ゆっくり息を吸い、長めに吐く呼吸を数回繰り返してみる方法があります。
決まった秒数にこだわる必要はありません。苦しくならない範囲でゆったり呼吸することがポイントです。
6.軽いストレッチを取り入れる
就寝前に軽く身体を伸ばすことで、リラックスしやすいと感じる人もいます。
- 肩をゆっくり上げ下げする
- 両腕や背中を無理なく伸ばす
- 足首をゆっくり動かす
痛みが出る動きや強いストレッチは避け、心地よく感じる範囲で行いましょう。
7.夕方以降のカフェインを見直す
カフェインの影響が残る時間には個人差があります。
寝つきが気になる場合は、夕方以降のコーヒー、紅茶、緑茶、エナジードリンクなどを控え、ノンカフェインの飲み物へ置き換えてみましょう。
8.寝酒を睡眠対策にしない
アルコールによって眠気を感じても、睡眠の途中で目が覚めたり、睡眠の質が低下したりすることがあります。
「眠れないからお酒を飲む」という習慣は避けることが大切です。
9.朝から日中に光を取り入れる
朝から日中に明るい光を浴びることは、睡眠・覚醒リズムを整えるために役立ちます。
起床したらカーテンを開ける、日中に屋外へ出る時間を設けるなど、生活の中で自然に光を取り入れてみましょう。
10.起床時刻を大きくずらさない
夜眠れなかったからといって、翌朝いつまでも寝床で過ごすと生活リズムがさらに後ろへずれる場合があります。
休日を含め、起床時刻を大きく変えないよう意識すると生活のリズムを作りやすくなります。
11.日中に適度に身体を動かす
適度な運動習慣は、良い睡眠を確保するために役立つとされています。
- 近所を散歩する
- 買い物へ歩いて行く
- 家事でこまめに身体を動かす
- 無理のない運動を習慣にする
ただし、就寝直前の激しい運動は眠りを妨げる場合があります。体調や運動習慣に合わせて無理なく行いましょう。
12.眠ろうと頑張りすぎない
「早く寝なければ」と焦るほど、眠ることへの緊張が強くなる場合があります。
眠気を感じてから寝床に入り、眠れないことへの不安を必要以上に大きくしないことも大切です。
考えごとが止まらない場合は、寝る前に気になっていることを紙へ書き出すなど、自分なりに気持ちを切り替える方法を探してみましょう。
食事は特定の食品より生活リズムを意識する
睡眠のために特定の食品だけを積極的に食べれば、寝つきが改善するとは限りません。
トリプトファンなど睡眠に関係する物質の材料となる栄養素はありますが、ひとつの食品を食べればその日の夜によく眠れるという単純なものではありません。
睡眠のためには、特定の成分にこだわるよりも、朝食を含めた規則的な食事と栄養バランスを意識しましょう。
また、就寝直前の多量の食事や夜食は避け、胃腸への負担にも配慮することが大切です。
香りや音楽などはリラックス方法のひとつとして取り入れる
好きな香りや穏やかな音楽などを、寝る前のリラックスタイムに取り入れる方法もあります。
ただし、アロマや音楽だけで不眠症が治療できるわけではありません。あくまでも自分が心地よく過ごすための方法のひとつとして考えましょう。
香りへの感じ方には個人差があります。強すぎる香りを避け、体調に合わない場合は使用を中止してください。
ヘッドスパやもみほぐしは睡眠治療ではなくリラックス目的で利用する
デスクワークなどで身体の疲れや緊張を感じている場合、ヘッドスパやもみほぐしなどのリラクゼーションを、気分転換や休息の時間として利用する方法があります。
施術を心地よいと感じ、リラックスできる人もいますが、ヘッドスパやもみほぐしは不眠症を診断・治療するものではありません。
施術によって自律神経が必ず整う、睡眠の質が改善する、深く眠れるようになるといった効果を保証することはできません。
身体を休める時間として利用する
仕事や家事から離れて静かに過ごす時間を設けること自体が、気持ちを切り替えるきっかけになる場合があります。
リラクゼーションサービスは、こうした休息や気分転換を目的として上手に取り入れるとよいでしょう。
強さは我慢せず伝える
もみほぐしは、強ければ強いほどよいわけではありません。
痛みを我慢する必要はないため、強いと感じる場合は施術者へ伝えましょう。痛みやしびれなどの症状がある場合には、施術を受ける前に医療機関への相談が必要なこともあります。
睡眠の問題が続く場合はサロンだけで対処しない
リラクゼーションを受けても眠れない状態が続く場合は、施術を繰り返すことで解決しようとせず、医療機関へ相談することが大切です。
不眠の背景には、睡眠時無呼吸症候群、むずむず脚症候群、概日リズム睡眠・覚醒障害、精神的・身体的な病気などが関係する場合があります。
薬以外の専門的な治療には認知行動療法もある
生活習慣を見直しても不眠が続く場合、医療機関では不眠症に対する認知行動療法(CBT-I)などが検討されることがあります。
CBT-Iは、睡眠についての考え方や行動、睡眠スケジュールなどを見直していく不眠症の治療法です。
一方、症状や原因によっては医師が睡眠薬などの薬物療法を提案する場合もあります。
「薬を使わないこと」そのものを目標にする必要はありません。現在薬を処方されている方も、自己判断で中断したり減量したりせず、医師に相談してください。
眠れない・寝つきが悪い状態が続くときに受診を検討したいサイン
セルフケアを続けても睡眠の問題が改善しない場合や、日中の生活に支障が出ている場合は医療機関へ相談しましょう。
特に、次のような場合は早めの相談をおすすめします。
- 眠れない状態が続き、仕事や日常生活に支障が出ている
- 日中に強い眠気があり、仕事や運転などに影響している
- 強いいびきや睡眠中の呼吸停止を指摘されている
- 強い気分の落ち込みや意欲低下などが続いている
相談先としては、かかりつけの内科や心療内科、精神科、睡眠外来などがあります。
症状や原因によって適切な相談先は異なるため、まず身近な医療機関へ相談しても構いません。
まとめ|眠れない・寝つきが悪いときは生活習慣を見直し、長引く場合は医療機関へ
寝つきが悪いと感じたときは、夜のスマートフォンや照明、カフェインやアルコール、起床時刻、運動習慣などを見直すことから始めてみましょう。
就寝前の入浴や軽いストレッチなど、自分が心地よいと感じるリラックス方法を取り入れるのもひとつです。
ヘッドスパやもみほぐしは、休息や気分転換を目的としたリラクゼーションとして活用できますが、不眠症の治療を目的としたものではありません。
睡眠の悩みが長く続く場合や日中の生活に支障が出ている場合には、セルフケアだけで抱え込まず、医療機関への相談を検討しましょう。
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