肩こりに自分でできるセルフケア|マッサージ・ストレッチ・ツボのやさしい手順

セルフケア・リラクゼーション基礎知識

仕事やスマートフォンの使用後に、肩や首の重さを感じることはありませんか。

同じ姿勢を長く続けたときの肩まわりの不快感には、軽いマッサージやストレッチ、温めなどのセルフケアが役立つ場合があります。ただし、肩こりの原因は姿勢や筋肉の緊張だけではなく、首や肩の病気などが関係していることもあります。

この記事では、自宅で無理なく行えるセルフマッサージ、ストレッチ、ツボ押しの方法と、安全に行うための注意点を解説します。

セルフマッサージの前に確認したい症状

肩や首の症状のなかには、セルフマッサージよりも医療機関への相談を優先した方がよいものがあります。

すぐに医療機関へ相談したい症状

次のような症状がある場合は、肩こりと自己判断してマッサージをせず、速やかに医療機関へ相談してください。

  • 突然、これまでに経験したことのない激しい頭痛が起きた
  • 片側の顔や手足がしびれる、または力が入りにくい
  • ろれつが回らない、言葉が出にくい
  • 意識がぼんやりする、まっすぐ歩けない
  • 胸の痛みや圧迫感、息苦しさ、冷や汗がある
  • 転倒や事故のあとから首や肩が強く痛む

緊急性があると感じる場合は、119番への連絡を検討してください。

セルフケアを中止した方がよい状態

次のような状態では、患部を強く押したり温めたりせず、必要に応じて医療機関へ相談しましょう。

  • 強い痛みやしびれがある
  • 肩や首が腫れている、熱を持っている
  • 発熱や強いだるさがある
  • 皮膚に傷、湿疹、炎症がある
  • 首や肩を動かしにくい
  • セルフケアをすると症状が強くなる

肩こりが起こりやすい主な要因

肩こりは、首から肩、背中にかけて重さや張り、不快感などを覚える状態です。感じ方や原因には個人差があります。

デスクワークなどで同じ姿勢が続く

パソコン作業などで同じ姿勢を長く続けると、頭や腕を支える首・肩まわりの筋肉が緊張しやすくなります。

画面をのぞき込むような姿勢では、頭が身体より前に出やすくなります。肩をすくめた姿勢や、肘が浮いた状態での作業も、肩まわりの負担につながることがあります。

スマートフォンを見る時間が長い

スマートフォンを見るときは、顔を下に向けた姿勢になりやすく、首の後ろ側に負担がかかることがあります。

使用時間だけでなく、同じ姿勢を続けることも負担の一因です。定期的に画面から目を離し、首や肩をゆっくり動かしましょう。

猫背や無意識の力み

背中が丸まり肩が前に出る姿勢では、胸側の筋肉が縮み、背中側の筋肉が引っ張られた状態になりやすくなります。

また、集中しているときや緊張しているときに、肩をすくめたり奥歯をかみしめたりする人もいます。作業中に肩の力を抜き、上下の歯を離すことを意識してみましょう。

セルフマッサージを安全に行うポイント

セルフマッサージは、強く押すほどよいわけではありません。痛みを我慢せず、心地よく感じる範囲で行うことが大切です。

  • 呼吸を止めずにゆっくり行う
  • 痛み、しびれ、めまい、吐き気が出たら中止する
  • 首の前側や横側を強く押さない
  • 背骨や鎖骨などの骨を直接強く押さない
  • 一か所を長時間押し続けない
  • 翌日まで強い痛みが残るほど刺激しない

首の周辺には血管や神経などがあるため、強い圧をかけたり、勢いよく首をひねったりしないようにしましょう。

肩こりに自分でできるマッサージの手順

椅子に座り、背もたれに軽く身体を預けた状態で行います。肩の力を抜き、無理に背筋を伸ばしすぎないことがポイントです。

首の付け根から肩先をやさしくさする

右手を左肩に置き、首の付け根から肩先に向かって、手のひらや指の腹でゆっくりさすります。

強く押し込まず、皮膚とその下の筋肉をやさしく動かす感覚で行いましょう。数回さすったら反対側も同じように行います。

肩の上を軽く押して離す

反対側の手を肩の上に置き、指の腹で筋肉を軽く押します。3秒ほどかけてゆっくり押し、同じくらいの時間をかけて離しましょう。

痛みを感じる場所を無理に押し込む必要はありません。左右それぞれ数回を目安に行います。

後頭部の生え際に指を当てる

後頭部の生え際には、頭の位置を細かく調整する小さな筋肉があります。両手の指の腹を生え際付近に当て、頭を強く反らさないようにしながら、軽く圧をかけます。

強く押したり、首の骨を直接押したりしないようにしてください。頭痛、めまい、吐き気などを感じた場合はすぐに中止しましょう。

鎖骨の下をやさしくさする

肩が前に出やすい人は、胸側にも張りを感じることがあります。鎖骨のすぐ下に指の腹を置き、内側から外側へやさしくさすりましょう。

鎖骨そのものや首の前側を強く押さないことが大切です。心地よいと感じる範囲にとどめてください。

肩甲骨まわりを動かすストレッチ

マッサージだけでなく、肩や肩甲骨をゆっくり動かすこともセルフケアの一つです。反動をつけず、呼吸を続けながら行いましょう。

肩を前後にゆっくり回す

両手の指先をそれぞれの肩に軽く置きます。肘で円を描くように、肩をゆっくり回しましょう。

前回しと後ろ回しを、それぞれ5回程度行います。動かしたときに痛みが出る範囲までは回さないでください。

肩甲骨を背中の中央へ寄せる

椅子に座り、両腕を身体の横に下ろします。肩をすくめないようにしながら、左右の肩甲骨を背中の中央へゆっくり寄せます。

3秒ほど保ったら力を抜きます。これを3〜5回程度繰り返しましょう。腰を大きく反らさないことがポイントです。

胸の前側を伸ばす

両手を身体の後ろで軽く組むか、椅子の背もたれに手を添えます。肩を下げたまま、胸の前側が伸びる位置まで両肩をゆっくり後ろへ引きます。

呼吸を止めずに10秒ほど保ち、ゆっくり戻します。肩関節に痛みがある場合は行わないでください。

肩こりのセルフケアで使われる代表的なツボ

東洋医学では、肩や首の不快感に対するセルフケアとして、肩井、天柱、風池などのツボが知られています。

ツボの位置や押したときの感じ方には個人差があります。ツボ押しだけで症状が改善すると保証されるものではなく、医療機関での診断や治療に代わるものでもありません。

肩井(けんせい)

首の付け根と肩先を結んだ、おおよそ中間付近にあるとされるツボです。

反対側の手の指を置き、痛くない程度に軽く押して離します。深く押し込まず、肩の上部をやさしく刺激する程度にしましょう。

天柱(てんちゅう)

後頭部の生え際付近にあり、首の後ろにある太い筋肉の外側に位置するとされます。

親指で強く押し上げるのではなく、指の腹を軽く当てる程度にしてください。

風池(ふうち)

後頭部の生え際付近で、天柱より少し外側のくぼみに位置するとされるツボです。

頭痛やめまいがあるときは自己判断で強く刺激せず、症状に応じて医療機関へ相談しましょう。

ツボを押す時間と強さ

ツボを押す場合は、3秒ほどかけて軽く押し、ゆっくり離します。1か所につき3回程度から始めましょう。

「痛いほど効く」と考えず、心地よく感じる強さにとどめることが大切です。

蒸しタオルを使った首・肩の温め方

肩や首を温めると、筋肉の緊張がやわらぎ、心地よく感じる場合があります。ただし、腫れや熱感がある場合や、けがをした直後には温めないでください。

蒸しタオルの作り方

タオルを水で濡らして固く絞り、電子レンジに対応した耐熱容器に入れます。電子レンジで温める場合は、機種やタオルの大きさによって温度が変わるため、短い時間から加熱してください。

取り出したあとはタオルを広げ、手で触れられる温度まで冷ましてから首や肩に当てます。熱すぎるとやけどをするおそれがあるため注意しましょう。

低温やけどを防ぐポイント

  • 熱いタオルを直接肌に当てない
  • 同じ場所に長時間当て続けない
  • 使い捨てカイロを肌に直接貼らない
  • カイロや温熱用品を当てたまま眠らない
  • 皮膚の感覚が鈍い人は使用前に医療従事者へ相談する

肩こりを繰り返しにくくする生活上の工夫

同じ姿勢を長時間続けない

デスクワーク中は、定期的に立ち上がったり、肩を回したりして姿勢を変えましょう。

一度に長くストレッチするよりも、無理のない動きをこまめに取り入れる方が続けやすくなります。

画面や椅子の位置を見直す

パソコンの画面が低すぎると、頭が前に出やすくなります。画面を見たときに首を大きく曲げなくて済む位置へ調整しましょう。

肘が浮かないように机や肘掛けを使い、肩をすくめずに作業できる環境を整えることも大切です。

無意識の力みに気づく

集中しているときは、肩をすくめたり、奥歯をかみしめたりしていないか確認してみましょう。

息をゆっくり吐きながら肩を上げ、力を抜いて下ろす動きを行うと、肩の力みに気づきやすくなります。

肩こりで医療機関に相談する目安

セルフケアを続ける期間だけで受診の必要性を判断することはできません。

次のような場合は、整形外科などの医療機関へ相談しましょう。

  • 肩や首の痛み、重さが続いている
  • 症状が少しずつ悪化している
  • 手や腕のしびれ、力の入りにくさがある
  • 腕を上げにくい、首を動かしにくい
  • 夜間も痛みが続き、眠れない
  • 仕事や家事などの日常生活に支障がある
  • 何度も同じ症状を繰り返している

肩こりのように感じる症状でも、首の骨や神経、肩関節などの問題が関係していることがあります。原因を確認したい場合は、まず医療機関で相談することが大切です。

肩こりのセルフマッサージは無理のない強さで行おう

肩や首の重さには、やさしいマッサージ、肩甲骨まわりのストレッチ、温めなどがセルフケアとして役立つ場合があります。

ただし、強く押したり、痛みを我慢して動かしたりする必要はありません。心地よく感じる範囲で、短時間から始めましょう。

強い痛みやしびれ、突然の頭痛などがある場合や、症状が続く場合は、セルフケアだけで対応せず医療機関へ相談してください。自分の状態に合わせて、安全を優先しながら取り入れることが大切です。

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