「花粉症の季節になると頭が重くてつらい」「頭痛薬を飲んでも思うように楽にならない」と感じる方もいるのではないでしょうか。
花粉症の時期に起こる頭痛や頭重感には、鼻づまり、副鼻腔の炎症、睡眠不足など、複数の要因が関係している可能性があります。ただし、頭痛の原因が必ずしも花粉症とは限りません。
本記事では、花粉症の時期に頭が重くなると考えられる理由、市販薬を使う際の注意点、自宅で試しやすいセルフケア、医療機関を受診する目安を解説します。
花粉症で頭が重くなる・痛くなるのはなぜ?
花粉症の時期に起こる頭痛や頭の重さには、鼻づまりや副鼻腔の炎症、睡眠の乱れなどが関係する場合があります。
ただし、頭痛にはさまざまな原因があるため、症状だけで花粉症によるものと判断することはできません。
鼻や副鼻腔の炎症によって圧迫感が生じることがある
副鼻腔とは、おでこや頬の骨の内側などにある空洞です。花粉によるアレルギー性鼻炎で鼻の粘膜が腫れると、副鼻腔につながる部分が狭くなり、顔や頭に圧迫感を覚えることがあります。
特に、おでこや頬の周辺が重い、鼻づまりと同時に頭が重く感じるといった場合は、鼻や副鼻腔の状態が関係している可能性があります。
ただし、強い顔面痛や色のついた鼻水、発熱などがある場合は、副鼻腔炎など別の病気が隠れている可能性もあるため、耳鼻咽喉科に相談してください。
鼻づまりによって睡眠や集中力に影響が出ることがある
鼻づまりが続くと口呼吸になりやすく、寝つきにくい、途中で目が覚めるなど、睡眠に影響することがあります。
睡眠不足や疲労が重なると、頭痛や頭の重さ、集中しにくさなどを感じる場合があります。また、鼻をかむ動作や口呼吸によって首や肩に力が入り、緊張型頭痛に似た症状が加わることも考えられます。
「鼻の症状が強い日に頭も重くなる」という場合は、鼻づまりだけでなく、睡眠や疲労の状態も振り返ってみましょう。
アレルギー反応と頭痛が同時に起こる場合がある
花粉が鼻や目の粘膜に付着すると、体内でヒスタミンなどの物質が放出され、くしゃみ、鼻水、鼻づまり、目のかゆみなどが現れます。
花粉症の時期には片頭痛などの頭痛が起こる方もいますが、ヒスタミンだけが頭痛の直接的な原因とは限りません。季節の変化、睡眠不足、疲労、ストレスなど、複数の要因が重なっていることもあります。
ズキズキする痛み、吐き気、光や音への過敏がある場合は、片頭痛の可能性もあるため、症状が繰り返すときは医療機関に相談しましょう。
薬の副作用で眠気やだるさを感じることもある
花粉症の時期に感じる眠気や倦怠感には、アレルギー症状そのものだけでなく、使用している薬が関係している場合もあります。
抗ヒスタミン薬の種類によっては、眠気、集中力の低下、口の渇きなどが生じることがあります。眠気が気になる場合は、自己判断で服用を中止したり量を変えたりせず、医師や薬剤師に相談してください。
花粉症の頭痛と他の頭痛を見分けるときのポイント
頭痛には、片頭痛、緊張型頭痛、副鼻腔炎に伴う頭痛など、さまざまな種類があります。
症状の特徴は判断の参考になりますが、自己判断だけで正確に見分けることは難しいため、強い症状や長引く症状がある場合は受診が必要です。
緊張型頭痛・片頭痛との違い
花粉症に関連する頭の重さは、鼻水、鼻づまり、くしゃみ、目のかゆみなどと同じ時期に現れることがあります。ただし、花粉症の時期に偶然、別の頭痛が起きている可能性もあります。
緊張型頭痛では、頭全体を締め付けられるような痛みや、首・肩のこりを伴うことがあります。片頭痛では、ズキズキする痛み、動くと痛みが強くなる、吐き気、光や音がつらいといった症状がみられることがあります。
なお、片頭痛は必ず片側だけに起こるとは限りません。症状の出方には個人差があるため、繰り返す頭痛は医師に相談しましょう。
副鼻腔炎が疑われる症状
花粉症などのアレルギー性鼻炎がある方でも、副鼻腔炎を併発することがあります。
次のような症状がある場合は、副鼻腔炎などの可能性を考え、耳鼻咽喉科への相談を検討してください。
- 黄色や緑色など、色のついた粘り気のある鼻水が続く
- おでこや頬、目の周辺に痛みや強い圧迫感がある
- 頭を前に傾けると顔や頭の痛みが強くなる
- 鼻づまりや嗅覚の低下が長引いている
- 発熱や強い倦怠感を伴っている
鼻水の色だけでは副鼻腔炎と断定できませんが、症状が強い場合や長引く場合は、早めに診察を受けましょう。
早急に医療機関を受診すべき頭痛
次のような症状がある場合は、花粉症による頭痛と決めつけず、速やかに医療機関を受診してください。
- 突然発症し、短時間でピークに達する激しい頭痛
- これまでに経験したことがない強い頭痛
- 意識がもうろうとする、受け答えがおかしい
- 手足のしびれや麻痺、ろれつが回らないなどの症状がある
- 発熱、繰り返す嘔吐、首の強いこわばりを伴う
- 見えにくい、物が二重に見えるなどの視覚異常がある
- 頭を打ったあとに頭痛が強くなっている
これらは、くも膜下出血、脳卒中、髄膜炎など、緊急性の高い病気のサインである可能性があります。緊急時は救急車の要請も検討してください。
また、頭痛が徐々に強くなる、何日も繰り返す、市販薬を頻繁に使っている、日常生活に支障が出ているといった場合も、早めの受診が必要です。
受診する診療科の目安
鼻水や鼻づまり、顔面の圧迫感などが主な症状であれば、耳鼻咽喉科が相談先のひとつです。アレルギー性鼻炎や副鼻腔炎の有無を確認してもらえます。
頭痛が主な症状で、吐き気、光や音への過敏、しびれなどがある場合は、脳神経内科、脳神経外科、頭痛外来などへの相談が考えられます。
突然の激しい頭痛や意識障害、麻痺などがある場合は、診療科を迷わず救急受診してください。
花粉症の時期に頭痛薬が効きにくいと感じる理由
花粉症の時期に起こる頭痛には、鎮痛薬を飲んでも十分に楽にならない場合があります。
その場合、頭痛の原因が鼻づまりや副鼻腔炎、片頭痛、睡眠不足など、鎮痛薬だけでは対応しにくい状態にある可能性があります。
鎮痛薬だけでは鼻やアレルギー症状に対応できない
イブプロフェンやアセトアミノフェンなどの鎮痛成分は、頭痛を一時的に和らげる目的で使用されますが、花粉による鼻水や鼻づまりそのものを治療する薬ではありません。
鼻や副鼻腔の症状が頭の重さに関係している場合は、鎮痛薬だけを使用しても十分な効果を感じられないことがあります。
ただし、鎮痛薬が効かないからといって自己判断で服用量や回数を増やすのは危険です。用法・用量を守り、症状が続く場合は医療機関に相談してください。
抗アレルギー薬と鎮痛薬は自己判断で併用しない
花粉症には抗ヒスタミン薬、点鼻薬、点眼薬などが使われます。一方、頭痛には症状や原因に応じた鎮痛薬などが使われます。
複数の市販薬を使用すると、同じ成分や似た作用の成分を重ねて服用してしまう可能性があります。特に、総合感冒薬、鼻炎薬、鎮痛薬には複数の成分が配合されていることがあるため注意が必要です。
すでに他の薬を服用している方、持病がある方、妊娠中・授乳中の方、高齢の方、子どもに使用する場合は、購入前に医師や薬剤師、登録販売者へ相談してください。
市販薬を選ぶときの注意点
市販の花粉症薬には、抗ヒスタミン成分や鼻づまりに対応する成分などが含まれています。成分によっては、眠気、口の渇き、動悸、不眠、排尿しにくさなどが現れることがあります。
また、プソイドエフェドリンなどの血管収縮成分を含む薬は、持病や服用中の薬によって使用できない場合があります。鼻づまりが強いからといって、誰にでも適しているわけではありません。
市販薬を選ぶ際は、次の点を確認しましょう。
- 現在使用している薬と成分が重複していないか
- 眠気が出る可能性や運転に関する注意がないか
- 持病、妊娠、授乳などに関する注意事項に当てはまらないか
- 使用できる年齢や服用回数を満たしているか
薬の選び方に迷う場合は、症状と服用中の薬を薬剤師や登録販売者に伝えたうえで相談してください。
花粉症による頭痛・頭の重さが気になるときのセルフケア
花粉症の時期の頭痛や頭重感には、鼻の乾燥を防ぐ、休息を取る、首や肩の緊張をゆるめるなどのセルフケアが役立つ場合があります。
ただし、セルフケアは病気を治療するものではありません。症状が強い場合や長引く場合は、セルフケアだけで様子を見続けず、医療機関を受診しましょう。
温かいタオルを鼻の周辺に当てる
温かいタオルを鼻や頬の周辺に当てると、蒸気によって鼻が一時的に通りやすく感じたり、リラックスしやすくなったりすることがあります。
濡らしたタオルを電子レンジで温める場合は、加熱しすぎないようにし、腕の内側などで温度を確かめてから使用してください。
数分程度を目安に、熱いと感じる前に外しましょう。感覚が低下している方、皮膚に炎症がある方、小さな子どもが使用する場合は、やけどに特に注意が必要です。
鼻や頭の周辺を強く押さない
鼻の周辺や眉間、手などを軽く押すセルフケアが紹介されることがありますが、花粉症や頭痛への効果には個人差があります。
試す場合は、強く押したり長時間続けたりせず、心地よい程度の力にとどめてください。痛み、腫れ、皮膚の異常がある場所には行わないようにしましょう。
ツボ押しをしても鼻づまりや頭痛が続く場合は、医療機関への相談が必要です。
首や肩を無理のない範囲で動かす
長時間同じ姿勢を続けていると、首や肩の筋肉が緊張し、頭の重さにつながる場合があります。
次のような動きを、痛みのない範囲でゆっくり行いましょう。
- 首を左右にゆっくり傾ける
- あごを軽く引き、首の後ろを伸ばす
- 肩をすくめてから力を抜く
- 肩を前後にゆっくり回す
首を勢いよく回したり、手で強く引っ張ったりするのは避けてください。動かしたときに痛み、めまい、しびれ、吐き気などが現れた場合は中止しましょう。
ゆっくり呼吸して休息を取る
ゆっくりとした呼吸は、緊張をゆるめ、気持ちを落ち着かせる方法のひとつです。ただし、自律神経を正常に戻したり、頭痛を治したりする方法ではありません。
椅子などに楽な姿勢で座り、無理のない速さで息を吸い、吸う時間より少し長めに吐いてみましょう。息苦しさやめまいが出る場合は中止してください。
鼻づまりが強いときは、無理に鼻呼吸を続ける必要はありません。呼吸しやすい方法で休み、症状が強い場合は医師に相談しましょう。
花粉症の影響を減らすための日常生活の工夫
花粉症対策では、日常生活の中で花粉への接触をできるだけ減らすことが基本です。
無理なく続けられる方法を取り入れ、症状が強いときは医療機関での治療と組み合わせましょう。
帰宅時に衣類や顔についた花粉を落とす
外出後は、衣類や髪、顔などに花粉が付着していることがあります。帰宅時には、次のような対策を取り入れてみましょう。
- 玄関に入る前に衣類の表面を軽く払う
- 帰宅後に手洗いと洗顔を行う
- 外出時の上着を寝室などに持ち込まない
- 必要に応じて着替える
衣類を強くたたくと花粉が舞い上がる可能性があるため、表面を払う程度にしましょう。
鼻洗浄を行う場合は、水道水をそのまま使用せず、市販の鼻洗浄液や、適切に調製された生理食塩水を使用してください。正しい方法が分からない場合は、医師や薬剤師に確認しましょう。
室内の湿度と空気環境を整える
空気が乾燥すると、鼻や喉の粘膜に不快感が生じやすくなります。加湿器を使用する場合は、過度な加湿を避け、室内の結露やカビにも注意してください。
加湿器のタンクやフィルターを清潔に保つことも重要です。手入れが不十分な場合、カビや細菌が増える原因になることがあります。
空気清浄機を使用する場合は、部屋の広さに合った製品を選び、フィルターを定期的に清掃・交換しましょう。
花粉の飛散が多い時間帯の長時間換気は避けつつ、室内の空気を入れ替えるための換気は必要です。窓を小さく開ける、レースカーテンを使用するなど、花粉の流入を抑える工夫をしましょう。
睡眠を確保する
鼻づまりや目のかゆみが続くと、眠りが浅くなり、日中の眠気や疲労感につながる場合があります。
睡眠を確保するため、次のような習慣を意識してみましょう。
- 就寝時刻と起床時刻をできる範囲でそろえる
- 寝具や寝室に花粉を持ち込まないようにする
- 就寝前の飲酒や大量のカフェインを控える
- 鼻づまりが強い場合は早めに医師や薬剤師に相談する
スマートフォンやパソコンの使用で寝つきにくくなる方は、就寝前の使用時間を短くすることも検討してください。
特定の食品だけに頼らず、バランスよく食べる
青魚、野菜、きのこ、発酵食品などには、健康維持に必要な栄養素が含まれています。ただし、特定の食品を食べるだけで花粉症や頭痛が治るわけではありません。
食事は、主食、主菜、副菜を組み合わせ、偏りを減らすことを基本にしましょう。サプリメントを使用する場合は、薬との相互作用や過剰摂取にも注意が必要です。
飲酒によって鼻づまりや頭痛が強くなる方もいるため、症状がある時期は量を控えることも検討してください。
花粉症による症状を長期的に抑えるための治療
花粉症の治療には、抗ヒスタミン薬、点鼻薬、点眼薬などを使う薬物療法のほか、原因となるアレルゲンに対する免疫療法があります。
適した治療は、原因となる花粉の種類、症状の強さ、持病、年齢などによって異なります。治療方法は医師と相談して決めましょう。
舌下免疫療法は医師の管理下で行う
舌下免疫療法は、原因となるアレルゲンを含む薬を継続的に使用し、アレルギー症状を長期的に軽減することを目指す治療です。
日本では、スギ花粉によるアレルギー性鼻炎と、ダニによる通年性アレルギー性鼻炎に対する舌下錠が保険適用となっています。ただし、検査によって原因となるアレルゲンを確認し、治療の対象となるか医師が判断する必要があります。
治療は毎日継続し、一般に3~5年程度の継続が推奨されます。効果の現れ方には個人差があり、すべての方に十分な効果が得られるわけではありません。
また、口の中の腫れやかゆみなどの副作用が起こることがあり、まれに重いアレルギー反応が生じる可能性もあります。必ず医師の指導を受け、決められた方法で治療してください。
スギ花粉の舌下免疫療法は、花粉が多く飛散している時期には開始できない場合があります。開始時期を含め、耳鼻咽喉科やアレルギー科へ相談しましょう。
花粉が飛び始める前から医師に相談する
花粉症では、症状が強くなる前や、花粉の飛散開始が予測される時期から薬物療法を始める「初期療法」が行われることがあります。
開始する時期や薬の種類は、花粉の飛散状況、前年の症状、薬の特徴などによって異なります。「必ず2週間前から始める」などと自己判断せず、例年症状が強い方は早めに医療機関へ相談してください。
毎年同じ時期に症状が出る方は、花粉情報を確認し、症状が強くなる前に受診の予定を立てておくとよいでしょう。
症状と薬の記録をつける
症状や使用した薬を記録しておくと、医師や薬剤師に状態を伝えやすくなります。
記録する項目の例は次の通りです。
- 頭痛、鼻水、鼻づまり、目のかゆみなどの症状
- 症状が起こった日時と強さ
- 使用した薬の名称、服用時刻、服用回数
- 薬を使用したあとの変化や副作用
- 睡眠時間、外出時間、花粉の飛散状況
記録は診断を確定するものではありませんが、症状の傾向を整理し、治療内容を検討する際の参考になります。
まとめ|花粉症の時期の頭痛は自己判断せず原因を確認しよう
花粉症の時期に感じる頭痛や頭の重さには、鼻づまり、副鼻腔の炎症、睡眠不足、首や肩の緊張などが関係している場合があります。
一方で、片頭痛、緊張型頭痛、副鼻腔炎など、花粉症以外の原因によって頭痛が起きている可能性もあります。鎮痛薬が効かない場合に服用量を増やしたり、複数の市販薬を自己判断で併用したりするのは避けましょう。
衣類についた花粉を落とす、室内環境を整える、休息を取るなどの対策は、症状を軽減する助けになることがあります。ただし、強い頭痛や長引く症状がある場合は、セルフケアだけで様子を見続けないことが大切です。
突然の激しい頭痛、意識の異常、しびれや麻痺などを伴う場合は速やかに救急受診してください。例年花粉症の症状が強い方は、花粉の飛散が本格化する前に耳鼻咽喉科やアレルギー科へ相談し、自分に合った治療方法を確認しましょう。
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