特に激しい運動をしていないのに、体が重い、疲れが抜けないと感じることはありませんか。
体のだるさは、長時間同じ姿勢で過ごしたことや運動不足、睡眠不足、ストレスなど、日常生活の影響で起こることがあります。一方で、感染症、貧血、甲状腺の病気、睡眠障害、薬の副作用などが関係している場合もあり、だるさだけで原因を判断することはできません。
軽い疲れやこわばりであれば、入浴やストレッチ、やさしいセルフマッサージが気分転換やリラックスにつながることがあります。ただし、効果の感じ方には個人差があり、病気によるだるさを治療するものではありません。
この記事では、体がだるいときに無理なく試せるセルフケアを5つ紹介するとともに、マッサージを避けたほうがよい状態や医療機関への相談目安を解説します。
体がだるいと感じる主な原因
体のだるさには、生活習慣から病気までさまざまな原因が考えられます。複数の原因が重なっていることも少なくありません。
長時間同じ姿勢で過ごしている
デスクワークやスマートフォンの操作などで同じ姿勢が続くと、首、肩、背中、腰などの筋肉に負担がかかり、こわばりや重さを感じやすくなります。
座っている時間が長く、脚をほとんど動かさない状態が続くと、脚の血液が滞りやすくなることもあります。長時間座る場合は、ときどき立ち上がったり、足首を動かしたりすることが大切です。
睡眠時間や睡眠による休養感が不足している
睡眠時間が足りていない場合だけでなく、途中で何度も目が覚める、朝起きても休んだ感じがしないといった状態でも、日中の眠気やだるさにつながることがあります。
厚生労働省の「健康づくりのための睡眠ガイド2023」では、成人は6時間以上を目安として、本人に必要な睡眠時間を確保することが示されています。ただし、必要な睡眠時間には個人差があります。
心身の緊張やストレスが続いている
仕事や家庭での緊張が続くと、無意識に肩へ力が入ったり、呼吸が浅くなったりすることがあります。気持ちが休まらない状態が続くことで、疲労感や体の重さを感じる場合もあります。
このような場合は、無理に体を強くほぐすのではなく、ゆっくり呼吸する、静かな時間をつくる、十分に休むなどの方法が適しています。
水分や食事が不足している
水分不足や食事量の不足、偏った食事によっても、だるさを感じることがあります。特定の食材だけに頼るのではなく、水分をこまめに取り、主食・主菜・副菜を意識した食事を取ることが基本です。
病気や薬の影響がある
感染症、貧血、甲状腺機能の異常、糖尿病、睡眠時無呼吸症候群などでも、だるさや疲れやすさが現れることがあります。服用している薬の影響が関係している場合もあります。
十分に休んでもだるさが続く場合や、日常生活に支障が出ている場合は、セルフケアだけで様子を見続けず、医療機関へ相談しましょう。
マッサージで体のだるさは軽くなる?
やさしいセルフマッサージによって、触れられる心地よさや、一時的に筋肉の緊張が和らいだ感覚を得られる人はいます。
ただし、マッサージの感じ方や変化には個人差があります。マッサージによって疲労の原因が取り除かれる、血流が必ず改善する、自律神経が整う、睡眠の質が上がるといった効果を保証することはできません。
リラクゼーションサロンやもみほぐしの施術も、基本的にはリラックスや心地よさを目的とするものです。医療機関で行われる診断や治療の代わりにはなりません。
体がだるいときに試したいセルフマッサージとセルフケア5選
軽い疲れやこわばりを感じるときは、次の方法を無理のない範囲で試してみましょう。途中で痛み、しびれ、めまい、息苦しさなどを感じた場合は中止してください。
1.40℃前後の湯船に短時間つかる
入浴は、体を温めながら気分を切り替えたいときに取り入れやすい方法です。40℃前後の熱すぎないお湯に、10〜15分程度を目安としてつかります。
長時間の入浴や熱すぎるお湯は、のぼせや脱水につながることがあります。体調に合わせて短めにし、入浴前後には水分を取りましょう。
発熱しているとき、飲酒後、強い体調不良があるときは入浴を控えてください。心臓や血管などの持病がある方、妊娠中の方は、入浴方法について医師へ確認が必要な場合があります。
2.吐く息を長めにしたゆっくり呼吸を行う
呼吸が浅くなっていると感じたときは、椅子やベッドで楽な姿勢を取り、ゆっくり呼吸します。
- 鼻から3〜4秒ほどかけて息を吸う
- 口から6〜8秒ほどかけてゆっくり吐く
- 無理のない範囲で5回程度繰り返す
秒数は目安です。息を止めたり、必要以上に深く吸ったりする必要はありません。苦しさやめまいを感じた場合は、すぐに通常の呼吸へ戻してください。
3.肩回しや足首運動でこまめに体を動かす
同じ姿勢が続いた後は、強く伸ばすストレッチよりも、まずは小さく体を動かしてみましょう。
- 両肩をゆっくり前後に回す
- 両手を上げ、無理のない範囲で背伸びをする
- 椅子に座ったまま足首を回す
- 立てる場合は、かかとの上げ下ろしをする
反動をつけず、呼吸を続けながら行うことがポイントです。痛みがある方向へ無理に伸ばす必要はありません。
長時間座る場合は、一度にまとめて運動するよりも、こまめに姿勢を変えたり、短時間立ち上がったりすることを意識しましょう。
4.首ではなく肩の筋肉をやさしくほぐす
首や肩が重いときは、首を強く押すのではなく、肩の上にある筋肉を手のひらでやさしく触れます。
- 右手を左肩の上に置く
- 肩の筋肉を手のひらと指で軽く包む
- 3秒ほどやさしく圧をかけてから力を抜く
- 場所を少しずつ変えながら数回繰り返す
- 反対側も同じように行う
首の前側や側面、背骨の真上は強く押さないでください。「痛気持ちいい」強さまで押す必要はなく、痛みが出ない程度の弱い刺激で十分です。
頭痛、めまい、吐き気、腕や手のしびれ、力の入りにくさがある場合は、セルフマッサージを行わず、医療機関へ相談しましょう。
5.ふくらはぎと足裏をやさしくほぐす
長時間座った後は、足首を動かしてから、ふくらはぎをやさしくさすります。
- 椅子に座り、両手でふくらはぎを包む
- 足首側から膝側へ、手のひらで軽くさする
- 強く握らず、片脚30秒程度を目安にする
足裏は、椅子に座った状態で、テニスボールなどを軽く転がす方法もあります。足裏の特定の場所を強く押す必要はありません。
片脚だけが急に腫れている、赤い、熱を持っている、強く痛むといった場合は、ふくらはぎをマッサージしないでください。血管の病気などが隠れている可能性があるため、早めに医療機関へ相談する必要があります。
セルフマッサージを避けたほうがよい場合
次のような状態では、自己判断でマッサージを行わないほうが安全です。
- 発熱や強い体調不良がある
- 打撲、捻挫、骨折などのけがをした直後である
- 皮膚に傷、やけど、腫れ、炎症がある
- 原因の分からない強い痛みやしびれがある
- 片脚だけに腫れ、赤み、熱感、痛みがある
- 出血しやすい病気がある
- 血液を固まりにくくする薬を使用している
- 医師から運動やマッサージを制限されている
妊娠中の方や治療中の病気がある方は、セルフケアを始める前に主治医へ相談すると安心です。
疲れをためにくくする生活習慣
睡眠時間だけでなく休んだ感覚も確認する
睡眠では、時間の長さだけでなく、朝起きたときに休んだ感覚があるかも大切です。
起床時間を大きく変えない、寝室の光や音を調整する、寝る直前まで明るい画面を見続けないなど、取り組みやすいことから見直しましょう。
睡眠環境や生活習慣を変えても、強い眠気や疲労感が続く場合は、睡眠障害などが隠れている可能性もあります。
座り続けず、こまめに姿勢を変える
長時間のデスクワークでは、特定の「正しい姿勢」を保ち続けるよりも、同じ姿勢を長く続けないことが重要です。
作業の区切りごとに立ち上がる、飲み物を取りに行く、肩や足首を動かすなど、短い動きを日常に取り入れましょう。
水分と食事を無理なく取る
水分や食事が不足すると、だるさにつながる場合があります。冷たいものを一律に避けたり、特定の食材だけを大量に取ったりするのではなく、自分が食べやすい温度で、バランスのよい食事を意識しましょう。
食欲が落ちている、水分が取れない、急に体重が減ったといった場合は、医療機関への相談が必要です。
体のだるさで医療機関へ相談する目安
早めにかかりつけ医や内科へ相談したい状態
次のような状態がある場合は、マッサージやセルフケアだけで様子を見続けず、医療機関へ相談しましょう。
- 十分に休んでもだるさが続いている
- だるさが徐々に強くなっている
- 仕事、家事、通学などの日常生活に支障が出ている
- 発熱、動悸、息切れ、食欲低下などを伴う
- 原因の分からない体重の増減がある
- 強い眠気、激しいいびき、睡眠中の無呼吸を指摘された
- 気分の落ち込みや意欲の低下が続いている
受診先に迷う場合は、まず、かかりつけ医や内科で相談し、だるさが始まった時期や一緒に現れている症状、服用中の薬などを伝えてください。
すぐに救急要請を検討したい状態
次のような症状が突然現れた場合は、セルフマッサージを行わず、119番への通報を検討してください。
- 急な息切れや呼吸困難
- 胸が締め付けられる、圧迫されるような痛み
- 突然の激しい頭痛
- 片方の腕や脚に力が入らない
- 顔の片側が動きにくい、しびれる
- ろれつが回らない、言葉が出にくい
- 意識がもうろうとしている、呼びかけへの反応がおかしい
体がだるいときは無理のないセルフケアから始めよう
体のだるさは、長時間同じ姿勢で過ごしたこと、睡眠不足、ストレス、水分や食事の不足などによって起こることがあります。
軽い疲れやこわばりであれば、入浴、ゆっくりした呼吸、軽い運動、肩やふくらはぎへのやさしいセルフマッサージが、リラックスや気分転換につながる場合があります。ただし、効果には個人差があり、強く押すほどよいわけではありません。
だるさが続く、悪化している、日常生活に支障がある、ほかの症状を伴うといった場合は、セルフケアだけで済ませず、医療機関へ相談しましょう。
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