デスクワークやスマートフォンの操作を続けていると、気づかないうちに肩が上がり、首や肩まわりに力が入り続けることがあります。
肩の力みが気になるときは、強くもむのではなく、呼吸や姿勢を整えながらやさしく動かすことが大切です。
この記事では、自宅や仕事の合間に取り入れやすい7つのセルフケアを、具体的な手順とともに紹介します。セルフケアによる感じ方には個人差があるため、痛みを我慢せず、無理のない範囲で行いましょう。
肩に力が入りやすくなる主な理由
肩の力みには、姿勢、作業環境、ストレス、運動不足など、複数の要因が関係しています。原因を1つに決めつけず、自分の日常生活を振り返ってみることが大切です。
同じ姿勢を長時間続けている
パソコンやスマートフォンの画面を見る時間が長くなると、頭が前に出たり、背中が丸くなったりしやすくなります。
同じ姿勢を長時間続けると、首や肩を支える筋肉が休みにくくなり、張りや重さを感じることがあります。特に、自宅のソファや低いテーブルなど、画面の位置を調整しにくい環境では注意が必要です。
集中や緊張によって肩が上がっている
仕事に集中しているときや緊張しているときは、無意識に肩をすくめたり、呼吸を止めたりすることがあります。
肩が耳に近づいている、奥歯をかみしめている、呼吸が浅く感じるときは、一度作業を止めて肩の位置を確認してみましょう。
体を動かす機会が少ない
移動や立ち上がる機会が少ない生活では、首や肩まわりを動かす時間も減りやすくなります。
特別な運動を行わなくても、作業の合間に立ち上がったり、肩をゆっくり回したりすることで、同じ姿勢が続く時間を短くできます。
セルフケアを始める前の注意点
セルフケアは、強く押すほど効果が高まるものではありません。痛みを感じるほど押したり、首を勢いよく回したりするのは避けてください。
- 首の前側や側面を強く押さない
- 骨の上を強く押さない
- 痛みやしびれを我慢して続けない
- 反動をつけて首や肩を動かさない
- 皮膚に傷や炎症がある場所には触れない
セルフケア中に強い痛み、しびれ、めまい、吐き気などが出た場合は、すぐに中止してください。
腕や手のしびれ、力の入りにくさ、強い痛み、けがをしたあとの痛み、発熱を伴う症状などがある場合は、セルフケアだけで済ませず、整形外科などの医療機関へ相談しましょう。
肩の力を抜くセルフケア7選
1.肩をすくめてから、ゆっくり下ろす
肩が上がっている感覚に気づきやすくする方法です。
- 椅子に浅く座り、両腕を自然に下ろします。
- 息を吸いながら、両肩を耳に近づけるように軽くすくめます。
- 2~3秒保ったら、息を吐きながら肩をゆっくり下ろします。
- 3回程度繰り返します。
肩を一気に強く落とすのではなく、息を吐きながら自然な位置へ戻すことを意識してください。
2.吐く息に合わせて肩をゆるめる
呼吸を止めず、肩の位置を確認するための方法です。
- 背もたれに軽く腰を預けます。
- 鼻から無理なく息を吸います。
- 口から細く息を吐きながら、肩と腕の力をゆるめます。
- 苦しくならない範囲で3~5回繰り返します。
決められた秒数に合わせる必要はありません。息苦しさやめまいを感じた場合は中止してください。
3.仕事中に1分間の姿勢リセットを行う
同じ姿勢を続けないために、短い休憩を取り入れましょう。
- 画面から目を離します。
- 足の裏を床につけ、上半身を起こします。
- 肩を前から後ろへゆっくり3回回します。
- 両腕を体の横に下ろし、深呼吸します。
- 可能であれば、一度立ち上がって数歩歩きます。
決まった時間に行うよりも、肩が上がっていると気づいたときにこまめに行うことが大切です。
4.首の後ろから肩をやさしくなでる
首の前側や側面をつまむのではなく、手のひらを使ってやさしく触れます。
- 右手を左側の首の後ろに軽く当てます。
- 首の後ろから肩先に向かって、手のひらでゆっくりなでます。
- 5回程度繰り返します。
- 反対側も同じように行います。
皮膚が赤くなるほどこすらず、心地よく感じる程度の弱い力で行いましょう。
5.肩の上をやさしく押して離す
肩の上には、押すと心地よく感じる場所があることがあります。位置を厳密に探したり、強く押し込んだりする必要はありません。
- 右手を左肩の上に置きます。
- 指の腹で、肩の上を軽く押します。
- 2~3秒程度で指を離します。
- 場所を少しずつ変えながら、数回繰り返します。
- 反対側も同じように行います。
ズキッとする痛み、腕に響く感覚、しびれがある場所は押さないでください。
6.肩甲骨を寄せる・広げる
肩甲骨まわりをゆっくり動かすストレッチです。
肩甲骨を寄せる動き
- 両腕を体の横に下ろします。
- 胸を強く反らさず、両肘を軽く後ろへ引きます。
- 肩甲骨を背中の中央へ近づけるイメージで2~3秒保ちます。
- 力を抜いて元に戻します。
- 3~5回繰り返します。
肩甲骨を広げる動き
- 両手を体の前で組みます。
- 両腕を前に伸ばしながら、背中の上部を軽く丸めます。
- 肩甲骨の間が広がる感覚を確認します。
- 2~3秒保ってから元に戻します。
- 3~5回繰り返します。
痛みがある場合は、動かす範囲を小さくしてください。
7.入浴後に肩から腕をなでる
入浴後など、体が温まっているときに、手のひらで軽くなでる方法です。
- 必要に応じて、肌に合うボディクリームを少量使用します。
- 首の後ろから肩先へ、手のひらでゆっくりなでます。
- 肩から腕に向かって、やさしくなで下ろします。
- 左右それぞれ5回程度行います。
入浴後であっても、強く押す必要はありません。皮膚にかゆみや赤みが出た場合は中止してください。
肩に力が入りにくい作業環境を整えるポイント
セルフケアとあわせて、普段の作業環境を見直すことも大切です。
- 足元:足の裏が床または足台につくようにする
- 背中:背もたれを利用し、前のめりになりすぎないようにする
- 肩:肩をすくめずにキーボードやマウスを操作できる位置にする
- モニター:画面の上端が目の高さか少し下になるように調整する
- 画面との距離:文字を読むために顔を近づけなくてよい距離にする
体格や視力、使用する机や椅子によって適した位置は異なります。数字だけに合わせるのではなく、首や肩に余計な力が入らないかを確認しながら調整しましょう。
セルフケアを続ける際のポイント
強い刺激を求めない
強く押したあとに痛みや腫れが残る場合は、刺激が強すぎる可能性があります。セルフケアは「痛いほどよい」のではなく、痛みを感じない程度の力で行ってください。
同じ姿勢を長く続けない
一度に長時間ストレッチをするよりも、作業の途中で姿勢を変えたり、短時間立ち上がったりするほうが取り入れやすい場合があります。
水分や食事は体調に合わせる
水分補給やバランスのよい食事は健康維持に大切ですが、特定の食品や栄養素だけで肩の張りが解消されるわけではありません。
必要な水分量は、気温、活動量、体格、健康状態などによって異なります。医師から水分や食事の制限を受けている方は、その指示に従ってください。
セルフケアだけで済ませないほうがよい症状
肩の張りや重さの中には、首や肩の関節、神経などの問題が関係しているケースもあります。
次のような症状がある場合は、リラクゼーションやセルフケアだけで様子を見続けず、医療機関への相談を検討してください。
- 強い痛みがある
- 腕や手にしびれがある
- 腕や手に力が入りにくい
- 首を動かすと強い痛みが走る
- 転倒や事故のあとから痛みが続いている
- 発熱や強いだるさを伴っている
- セルフケアを行っても症状が長く続いている
リラクゼーションサービスを利用する場合は、医療機関で行う診断や治療とは異なることを理解し、施術内容、注意事項、施術者が保有する資格などを確認しましょう。
肩の力を抜くセルフケアは無理のない範囲で続けよう
肩に力が入りやすいときは、強くもむのではなく、呼吸を止めずに肩をゆっくり動かし、同じ姿勢が続く時間を減らすことから始めてみましょう。
肩をすくめてからゆっくり下ろす方法や、肩甲骨を寄せたり広げたりするストレッチは、仕事や家事の合間にも取り入れやすい方法です。
セルフケアによる感じ方には個人差があり、症状の改善を保証するものではありません。痛みやしびれなどがある場合は無理に続けず、必要に応じて医療機関へ相談することが大切です。
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