「夜になっても気持ちが休まらない」「寝つきにくい」「朝起きても疲れが残っている」と感じることはありませんか。
そのようなときは、夜の過ごし方を見直すことで、心身を休めやすい状態をつくれる場合があります。自律神経は、活動するときに働きやすい交感神経と、休息時に働きやすい副交感神経のバランスによって、体のリズムに関わっています。
この記事では、自律神経のバランスを意識した夜の過ごし方や、寝る前に取り入れやすいリラックス習慣、避けたい行動について解説します。無理なく続けられることから、少しずつ取り入れてみましょう。
夜の過ごし方が自律神経のバランスに関わる理由
夜は、日中の活動モードから休息モードへ切り替えていく大切な時間です。仕事や家事、スマートフォンの使用などで刺激が多い状態が続くと、寝る前になっても気持ちや体が落ち着きにくくなることがあります。
自律神経のバランスを意識するうえでは、「何か特別なことをする」よりも、毎日の生活リズムや夜の習慣を整えることが大切です。
交感神経から休息モードへ切り替えやすくするため
日中は、仕事や家事、移動などによって心身が活動モードになりやすい時間です。夜になってもその緊張感が続いていると、布団に入ってもなかなか落ち着けないことがあります。
帰宅後や寝る前には、次のような行動を取り入れると、気持ちを切り替えやすくなります。
- お風呂にゆっくり入る
- 照明を少し暗くする
- 静かな音楽を聴く
- 温かい飲み物をゆっくり飲む
こうした習慣は、仕事モードから休息モードへ移るきっかけになります。無理に完璧なルーティンを作ろうとせず、自分が落ち着きやすい方法を選びましょう。
眠りやすい環境を整えるため
夜の習慣を見直す目的のひとつは、眠りやすい環境を整えることです。明るい照明、寝る直前のスマートフォン、遅い時間の食事や飲酒などは、眠る前のリズムを乱しやすくなることがあります。
一方で、照明を落とす、寝る前の過ごし方を決める、体を冷やしすぎないようにするなどの工夫は、心身を休める準備につながります。
睡眠の状態には個人差がありますが、まずは夜の過ごし方を整えることから始めてみましょう。
帰宅後に取り入れたい夜の習慣
帰宅後の過ごし方を少し変えるだけでも、仕事や外出の緊張を引きずりにくくなる場合があります。ここでは、今日から取り入れやすい習慣を紹介します。
部屋着に着替えて仕事モードをオフにする
家に帰ったら、まずはゆったりとした部屋着に着替えてみましょう。服装を変えることで、「ここからは休む時間」と気持ちを切り替えやすくなります。
部屋着を選ぶときは、次のようなものがおすすめです。
- 体を締め付けにくいゆったりしたサイズ
- 肌触りがよく、リラックスしやすい素材
- 自分が落ち着く色やデザイン
小さなことですが、毎日の切り替え習慣として続けやすい方法です。
深呼吸をして心身を落ち着かせる
気持ちが落ち着かないときは、ゆっくりとした呼吸を意識してみましょう。呼吸が浅くなっていると、体に力が入りやすくなることがあります。
簡単な深呼吸の方法は、次の通りです。
- 鼻から3秒ほどかけてゆっくり息を吸う
- 口から6秒ほどかけて細く長く息を吐く
- これを5回ほど繰り返す
ポイントは、吸う時間よりも吐く時間を少し長めにすることです。ソファや椅子に座り、肩の力を抜きながら行うと取り入れやすいでしょう。
部屋の照明を少し暗くする
夜の時間は、部屋の照明を少し暗めにするのもおすすめです。白く明るい光を浴び続けると、眠る前のリズムが整いにくくなることがあります。
次のような工夫を取り入れてみましょう。
- 間接照明を使う
- 温かみのある色の照明にする
- 寝る前はスマートフォンやパソコンの明るさを控えめにする
在宅勤務の日は、仕事が終わったタイミングで照明を変えると、オンとオフの切り替えにもつながります。
夕食で意識したいポイント
夜に心身を休めやすくするには、夕食の内容や食べる時間も大切です。寝る直前に重い食事をとると、胃腸に負担を感じることがあります。
消化にやさしい食事を選ぶ
夕食は、できるだけ消化にやさしいものを選ぶとよいでしょう。特に帰宅が遅くなった日は、脂っこい料理や量の多い食事を控えめにすると、寝る前の負担を減らしやすくなります。
取り入れやすいメニューには、次のようなものがあります。
- 温かいうどんやスープ
- 豆腐や白身魚などの低脂質なたんぱく質
- 柔らかく煮た野菜
反対に、揚げ物や極端に辛い料理は、人によって胃もたれや刺激につながることがあります。体調や空腹具合に合わせて調整しましょう。
就寝の数時間前までに食事を済ませる
夕食は、できれば就寝の数時間前までに済ませておくと安心です。寝る直前に食事をとると、胃の中に食べ物が残り、眠りにくさや不快感につながることがあります。
ただし、残業や家庭の事情で、毎日同じ時間に食事をとるのが難しい場合もあります。そのような日は、夕方に軽く食べておき、帰宅後はスープや軽めの食事にするなど、無理のない工夫をしてみましょう。
ゆっくり噛んで食べる
夕食を食べるときは、早食いにならないよう意識することも大切です。よく噛んで食べることで、食事のペースが落ち着き、胃腸への負担も軽くしやすくなります。
動画やSNSを見ながら食べると、無意識に早食いになりやすいものです。できる範囲でスマートフォンを置き、食事の味や香りを楽しむ時間にしてみましょう。
寝る前の入浴で意識したいポイント
入浴は、夜のリラックス習慣として取り入れやすい方法のひとつです。体調に合わせて、無理のない温度と時間で行いましょう。
ぬるめのお湯にゆっくり浸かる
寝る前の入浴では、熱すぎないお湯にゆっくり浸かるのがおすすめです。目安としては、38〜40度くらいのぬるめのお湯に10〜15分程度入ると取り入れやすいでしょう。
熱すぎるお湯や長すぎる入浴は、かえって疲れたり、のぼせたりすることがあります。心地よいと感じる範囲で行うことが大切です。
首や肩まわりを無理なく温める
デスクワークやスマートフォンの使用が多い方は、首や肩まわりにこわばりを感じやすいことがあります。入浴時には、首や肩を無理のない範囲で温めると、体の力を抜きやすくなる場合があります。
ただし、首まで深く浸かると息苦しさやのぼせを感じる方もいます。無理に全身浴をする必要はありません。肩まで浸かる、温かいタオルを首元に当てるなど、自分に合う方法を選びましょう。
好きな香りを取り入れる
入浴中に好きな香りを取り入れると、気分を切り替えやすくなります。香りの感じ方には個人差があるため、「効果がある香り」と決めつけず、自分が心地よいと感じるものを選びましょう。
夜のリラックスタイムに取り入れやすい香りには、次のようなものがあります。
- ラベンダー系の落ち着いた香り
- ベルガモット系のさわやかな香り
- カモミール系のやさしい香り
アロマオイルを使う場合は、使用方法や使用量を確認し、肌に直接つけないよう注意しましょう。香りのある入浴剤を使うのも手軽な方法です。
時間がない日は足湯を取り入れる
湯船に浸かる時間がない日は、足湯を取り入れる方法もあります。足元を温めることで、体を冷やしにくくなり、寝る前のリラックスタイムを作りやすくなります。
足湯の方法は、次の通りです。
- 洗面器やバケツに40度前後のお湯を入れる
- 足首あたりまでお湯につける
- 10分程度を目安に、心地よい範囲で温める
熱すぎるお湯は避け、低温やけどや転倒にも注意してください。体調がすぐれない日は無理をしないようにしましょう。
寝る前におすすめのリラックス習慣
寝る前の時間は、心身を休める準備をする大切なタイミングです。ここでは、無理なく取り入れやすい習慣を紹介します。
就寝前はデジタル機器から少し離れる
寝る直前までスマートフォンやパソコンを見ていると、画面の光や情報によって気持ちが落ち着きにくくなることがあります。
就寝前は、できる範囲でデジタル機器から離れる時間を作ってみましょう。
- スマートフォンの充電場所をベッドから離す
- 寝る前は読書や音楽の時間にする
- 仕事のチャットやメールは確認しない時間を決める
完全に使わないことが難しい場合は、画面の明るさを下げる、通知を切るなどの工夫から始めてもよいでしょう。
軽いストレッチで体の力を抜く
寝る前には、激しい運動ではなく、軽いストレッチを取り入れるのがおすすめです。体をやさしく伸ばすことで、こわばりに気づき、力を抜きやすくなります。
布団の上でも行いやすいストレッチには、次のようなものがあります。
- 仰向けになり、手足を軽くぶらぶら揺らす
- 両膝を胸に抱え、背中を丸めながらゆっくり呼吸する
- 手足を伸ばし、全身の力を抜く
痛みを感じるほど伸ばす必要はありません。心地よい範囲で、ゆっくり行いましょう。
ノンカフェインの温かい飲み物を選ぶ
寝る前の飲み物には、ノンカフェインのものを選ぶと安心です。コーヒー、緑茶、紅茶などに含まれるカフェインは、人によって寝つきに影響することがあります。
寝る前に取り入れやすい飲み物には、次のようなものがあります。
- 白湯
- ルイボスティー
- カモミールティー
- 麦茶
飲みすぎると夜中にトイレで起きやすくなることもあるため、量は控えめにしましょう。
不安や考え事を紙に書き出す
布団に入ってから仕事や悩み事を考えてしまう方は、寝る前に紙へ書き出す方法もあります。頭の中にあることを外に出すことで、考えを整理しやすくなります。
書き出す内容は、きれいにまとめる必要はありません。
- 今日気になったこと
- 明日やること
- 今不安に感じていること
書いたあとは、「今日はここまで」と区切りをつけることが大切です。考え事を抱えたまま布団に入るよりも、気持ちを切り替えやすくなる場合があります。
ツボ押しはリラックス習慣の一つとして取り入れる
寝る前に手や足をやさしく押すことで、体の力を抜くきっかけになる場合があります。ただし、ツボ押しは医療行為ではなく、効果には個人差があります。眠れない状態を改善すると断定せず、リラックス習慣の一つとして取り入れましょう。
試す場合は、次のような部位をやさしく押してみてください。
- 手のひらの中央あたり
- 足裏のかかと付近
強く押しすぎず、心地よいと感じる程度にしましょう。痛みや違和感がある場合は無理に続けないでください。
在宅勤務の日に意識したい切り替えのコツ
在宅勤務の日は、仕事とプライベートの境目が曖昧になりやすいものです。夜に休みやすい状態をつくるためには、終業後の切り替えを意識することが大切です。
仕事用のパソコンや資料を片付ける
仕事が終わったら、パソコンや資料を視界から外しましょう。仕事道具が目に入ると、無意識に業務のことを考えやすくなる場合があります。
ワンルームなどで仕事スペースと生活スペースが近い場合は、次のような工夫がおすすめです。
- パソコンをケースや引き出しにしまう
- デスクの上に布をかける
- 仕事用のメモや資料を一か所にまとめる
目に入る情報を減らすことで、気持ちを休息モードへ切り替えやすくなります。
短い散歩で気分を切り替える
仕事が終わったあと、5〜10分ほど外を歩くのもよい方法です。外の空気を吸い、軽く体を動かすことで、仕事の緊張感を切り替えやすくなります。
たとえば、次のような軽い外出で十分です。
- 家の周りを一周する
- 近所のコンビニまで歩く
- 夕方の空気を吸いながらゆっくり歩く
無理に長く歩く必要はありません。安全な時間帯や場所を選び、自分の体調に合わせて行いましょう。
眠りを妨げやすい夜のNG行動
夜の過ごし方を整えるためには、避けたい行動を知っておくことも大切です。よかれと思って続けている習慣が、かえって眠りにくさにつながっている場合もあります。
寝る直前の激しい運動
夜遅い時間に、息が上がるほどの激しい運動を行うと、体や気持ちが落ち着きにくくなることがあります。
寝る前は、次のような運動は控えめにしましょう。
- 重い負荷をかける筋トレ
- 息が切れるほどのランニング
- 心拍数が大きく上がるエクササイズ
夜に体を動かす場合は、軽いストレッチやゆったりした動きにとどめるのがおすすめです。
寝酒を習慣にする
眠るためにお酒を飲む「寝酒」は、見直したい習慣のひとつです。一時的に寝つきがよく感じられることがあっても、夜中に目が覚めやすくなったり、眠りが浅く感じられたりする場合があります。
寝酒が習慣になると、次のような状態につながることもあります。
- 夜中に目が覚めやすい
- 翌朝にだるさを感じる
- 飲酒量が増える可能性がある
「お酒を飲まないと眠れない」という状態が続く場合は、セルフケアだけで抱え込まず、医療機関や専門家に相談することも大切です。
ベッドの中で考え事を続ける
ベッドに入ってから仕事の反省や明日の予定を考え続けると、気持ちが落ち着きにくくなることがあります。
次のような考えが止まらないときは、一度紙に書き出してから布団に入るのも一つの方法です。
- 今日の仕事で気になったこと
- 明日の予定やタスク
- 人間関係の悩み
布団の中は、できるだけ眠るための場所として使うことを意識しましょう。眠れない状態が続く場合は、無理に寝ようと焦らず、専門家に相談することも検討してください。
寝る直前までスマートフォンを見る
就寝直前までスマートフォンを見ていると、画面の光や情報によって、気持ちが休まりにくくなることがあります。
特に、次のような使い方は夜更かしにつながりやすいため注意しましょう。
- SNSを長時間見続ける
- 動画を次々と視聴する
- 仕事のメールやチャットを確認する
アラームを設定したあとは、スマートフォンを手の届きにくい場所に置くなど、使いすぎを防ぐ工夫をしてみましょう。
まとめ|夜の過ごし方を整えて休みやすい状態をつくろう
自律神経のバランスを意識するなら、夜の過ごし方を見直すことが大切です。部屋着に着替える、照明を少し暗くする、夕食を早めに済ませる、ぬるめのお風呂に入るなど、小さな習慣でも心身を休めるきっかけになります。
一方で、寝る直前のスマートフォン操作、寝酒、激しい運動、ベッドの中での考え事は、眠りにくさにつながることがあります。
まずは、無理なく続けられる習慣をひとつ選び、今日の夜から取り入れてみましょう。眠れない状態や強い不調が続く場合は、セルフケアだけで済ませず、医療機関や専門家に相談することも大切です。
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