昼を過ぎた頃から、首の付け根や肩まわりが重く感じることはありませんか。会議や資料作成が続き、気づけば一日中パソコンの前に座っている方も多いでしょう。
このような肩こりに悩むデスクワークの男性は少なくありません。厚生労働省の「令和4年 国民生活基礎調査」では、症状別にみると、男女とも「腰痛」「肩こり」の順に有訴者率が高いとされています。
マッサージ店に行く時間がない、ジムに通う余裕もない、職場で大きな動きをするのは気が引ける。そう感じる方に向けて、この記事では、仕事着のまま椅子に座ってできる肩こり対策のストレッチを紹介します。
肩こりの原因は人によって異なりますが、長時間同じ姿勢を続けることや、肩まわりの筋肉が緊張し続けることは、肩の重さやだるさにつながりやすい要因です。無理のない範囲で体を動かし、日々のセルフケアとして取り入れてみましょう。
デスクワークで肩がこりやすくなる理由
巻き肩や猫背で肩まわりに負担がかかりやすくなる
パソコン作業が長く続くと、顔が画面に近づき、背中が丸まり、肩が前に入りやすくなります。このような姿勢は、一般的に「巻き肩」や「猫背」と呼ばれる状態に近いものです。
この姿勢が続くと、首から肩、背中にかけての筋肉が緊張しやすくなります。肩甲骨まわりの筋肉も動きにくくなり、肩の重さやだるさを感じることがあります。
肩こりは、重いものを持ったときだけに起こるものではありません。同じ姿勢を長く続けるだけでも、肩まわりの筋肉には負担がかかりやすくなります。
胸まわりが硬くなると肩が前に入りやすい
デスクワーク中は、腕を前に出してキーボードやマウスを使う時間が長くなります。そのため、胸の前側や肩の前側が縮こまりやすい状態になります。
胸まわりが硬くなると、肩が前に引っ張られやすくなり、背すじを伸ばそうとしてもすぐに丸まりやすくなることがあります。
肩こり対策では、肩や首だけでなく、肩甲骨まわりや胸まわりを無理なく動かすことも大切です。
強く揉みすぎるより、ゆっくり動かすことを意識する
肩が重く感じると、つい強く押したり揉んだりしたくなるかもしれません。しかし、強い刺激を加えすぎると、かえって痛みや違和感が出る場合があります。
セルフケアで大切なのは、痛みを我慢して強く刺激することではありません。肩まわりをゆっくり動かし、こわばりを無理なくゆるめる意識を持つことが大切です。
特に職場で行う場合は、短時間で無理なくできる動きを選びましょう。痛みが出る場合はすぐに中止し、症状が続く場合は医療機関への相談も検討してください。
職場でできる椅子に座ったままの肩甲骨・胸ストレッチ
ここからは、椅子に座ったままできる簡単なストレッチを紹介します。スーツやシャツのままでも行いやすい動きを中心にしています。
ストレッチ①:肩甲骨を寄せる「ひじ引き」
このストレッチは、肩甲骨まわりを動かしたいときに取り入れやすい方法です。
やり方
- 椅子に浅めに座り、背もたれから背中を少し離します。
- 両ひじを90度に曲げ、肩の高さあたりで前に出します。
- そのまま両ひじを後ろへゆっくり引きます。
- 左右の肩甲骨を背中の中央に寄せるように意識します。
- 5秒ほど止めてから、ゆっくり元に戻します。
目安は、1セット10回程度です。仕事の合間に1日2〜3回行うと取り入れやすいでしょう。
ポイントは、肩をすくめないことです。肩を上げるのではなく、肩甲骨を背中の中央に寄せるように意識しましょう。
ストレッチ②:胸を開く「手指を組んだ後ろ伸ばし」
このストレッチは、胸まわりや肩の前側を伸ばしたいときに向いています。
やり方
- 椅子に座ったまま、両手を背中の後ろで組みます。
- 胸を軽く開くようにして、肩甲骨を背中の中央に寄せます。
- 手を組んだ腕を、無理のない範囲で後ろや下の方向へ伸ばします。
- 胸の前側に心地よい伸びを感じたところで、20〜30秒ほど保ちます。
- ゆっくり元に戻します。
目安は、1セット2〜3回です。昼休みや退勤前など、姿勢が丸まりやすいタイミングで行うとよいでしょう。
ポイントは、腕を無理に高く上げようとしないことです。首や肩に痛みが出ない範囲で行ってください。
ストレッチ③:首と肩の力を抜く「肩の上げ下げ」
このストレッチは、首から肩にかけて力が入りやすい方に取り入れやすい方法です。
やり方
- 椅子に座り、背すじを自然に伸ばします。
- 両肩を耳に近づけるように、ゆっくり引き上げます。
- 一瞬止めたあと、力を抜いて肩をストンと落とします。
- これを数回繰り返します。
目安は、1セット5〜8回程度です。トイレ休憩や会議の合間にも行いやすい動きといえます。
ポイントは、肩を落とすときに力を抜くことです。肩を下げる動きそのものよりも、余計な力を抜く感覚を意識しましょう。
3つのストレッチの使い分け
肩甲骨まわりが重く感じるとき
肩甲骨まわりが重く感じるときは、「ひじ引き」を取り入れやすいでしょう。背中の上部を動かしやすく、長時間のパソコン作業の合間にも試しやすい方法です。
胸や肩の前側が縮こまっていると感じるとき
胸や肩の前側が縮こまっていると感じるときは、「手指を組んだ後ろ伸ばし」が向いています。猫背や巻き肩が気になる方にも取り入れやすいストレッチです。
首から肩にかけて力が入りやすいとき
首から肩にかけて力が入りやすいときは、「肩の上げ下げ」が行いやすい方法です。短時間でできるため、会議前後や休憩中にも試しやすいでしょう。
やりがちな間違いと注意点
痛みを感じながら無理に伸ばさない
ストレッチでは、心地よい伸びを感じる程度にとどめることが大切です。痛みを我慢して伸ばす必要はありません。
首や肩まわりはデリケートな部位です。痛み、しびれ、強い違和感がある場合は無理に続けないようにしましょう。
短時間で変化を求めすぎない
ストレッチを1回行っただけで、肩こりが完全になくなるとは限りません。デスクワークの姿勢や作業環境が変わらなければ、肩の重さが繰り返されることもあります。
大切なのは、短時間でもよいので無理なく続けることです。1〜2時間に1回、肩まわりを軽く動かすだけでも、同じ姿勢が続く時間を減らしやすくなります。
姿勢を根性で直そうとしない
猫背や巻き肩が気になるからといって、常に背すじを伸ばそうと力を入れ続けると、別の筋肉に負担がかかることがあります。
まずは、固まりやすい胸まわりや肩甲骨まわりを動かしやすくすることから始めましょう。そのうえで、モニターの高さ、椅子の高さ、キーボードやマウスの位置なども見直すと、肩まわりへの負担を減らしやすくなります。
FAQ
ストレッチ中にポキッと音がしても大丈夫ですか?
音だけで痛みがない場合は、すぐに問題とは限りません。ただし、痛みを伴う場合や、同じ場所で頻繁に音が鳴る場合は、無理に動かさない方が安心です。
気になる症状が続く場合は、整形外科などの医療機関に相談しましょう。
毎日やっても大丈夫ですか?
痛みのない範囲で、軽く体を動かすストレッチであれば、日常的なセルフケアとして取り入れやすい方法です。
ただし、疲労感や痛みが出る場合は回数を減らすか、中止してください。無理なく続けられる範囲で行うことが大切です。
片側だけ肩こりがひどい場合はどうすればよいですか?
片側だけ肩こりが強い場合は、利き手の使い方、マウスの位置、モニターの向き、座り方のクセなどが影響していることがあります。
ストレッチは左右どちらも無理なく行いながら、作業環境も確認してみましょう。片側の痛みが強い、しびれがある、症状が長く続く場合は、自己判断せず医療機関への相談も検討してください。
ストレッチをしても翌朝にはまた肩が重くなります。なぜですか?
ストレッチで一時的に楽に感じても、長時間の同じ姿勢や作業環境が変わらないと、肩の重さが繰り返されることがあります。
ストレッチだけでなく、モニターの高さ、椅子の高さ、デスクとの距離、休憩の取り方も見直してみましょう。
まとめ
デスクワーク中の肩こりは、長時間同じ姿勢が続くことや、首・肩・背中まわりの筋肉が緊張し続けることによって起こりやすくなります。
肩こり対策では、肩だけを強く揉むのではなく、肩甲骨まわりや胸まわりを無理なく動かすことが大切です。
椅子に座ったままできる「ひじ引き」「手指を組んだ後ろ伸ばし」「肩の上げ下げ」は、職場でも取り入れやすい簡単なセルフケアです。
ただし、痛みやしびれがある場合、症状が長く続く場合、頭痛や吐き気などを伴う場合は、無理にセルフケアだけで済ませず、医療機関への相談も検討しましょう。
まずは仕事の合間に、できる動きを1つだけ取り入れてみてください。無理のない範囲で少しずつ続けることが、肩まわりの負担を減らす第一歩になります。
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