首や肩の張りが気になっていても、忙しくて十分なケアができない方は少なくありません。軽い張りや重さであれば、首の後ろや肩まわりをやさしく触れたり、肩甲骨を動かしたりすることで、心地よさを感じる場合があります。
ただし、首には重要な神経や血管が通っています。強く押したり、首を勢いよく動かしたりするのは避け、痛みのない範囲で行うことが大切です。
この記事では、自宅で取り入れやすい5分程度のセルフケアと、安全に行うための注意点を紹介します。セルフケアは診断や治療の代わりになるものではありません。強い痛みやしびれなどがある場合は、無理に行わず医療機関へ相談してください。
首や肩がこりやすい4つの原因
首や肩の張りには、姿勢や生活習慣、ストレスなど、複数の要因が関係します。まずは、日常生活の中で負担になっている場面がないか振り返ってみましょう。
長時間のデスクワーク
パソコン作業などで同じ姿勢が続くと、首の後ろから肩、背中にかけての筋肉に負担がかかりやすくなります。
特に、画面が低い、椅子や机の高さが合っていない、ひじが浮いているといった環境では、頭が前に出たり肩が上がったりしやすくなります。作業中は、定期的に姿勢を変えて体を動かすことが大切です。
スマートフォンを見るときの姿勢
スマートフォンを低い位置で見続けると、頭が前に出て、首の後ろや肩まわりに負担がかかりやすくなります。
このような姿勢は「スマホ首」や「ストレートネック」と呼ばれることもありますが、姿勢だけで首の骨の状態を判断することはできません。まずは画面を少し高い位置に持ち、長時間同じ姿勢を続けないようにしましょう。
緊張やストレスによる力み
緊張しているときや集中しているときは、無意識に肩をすくめたり、歯を食いしばったりすることがあります。
作業の合間に一度息を吐き、肩をゆっくり下げてみましょう。自分が力んでいることに気づくだけでも、姿勢を見直すきっかけになります。
体を動かす機会の不足
長時間座ったまま過ごすと、首や肩だけでなく、背中や肩甲骨まわりも動かす機会が減ります。
激しい運動をする必要はありません。肩を回す、立ち上がって歩く、腕を伸ばすなど、日常の中でこまめに体を動かすことから始めましょう。
セルフマッサージを行う前の注意点
首肩のセルフケアは、強く押すほどよいわけではありません。安全に行うため、次のポイントを確認してください。
- 首の前側や側面を強く押さない
- 首の骨を直接押さない
- 痛みを我慢して続けない
- 首を勢いよく回したり、ひねったりしない
- しびれ、めまい、吐き気などが出たら中止する
- 腫れ、赤み、傷、湿疹がある部分には行わない
強い刺激を加えると、施術後に痛みやだるさが出たり、皮膚や筋肉を傷めたりする可能性があります。「痛いけれど我慢できる強さ」ではなく、軽く触れて心地よいと感じる程度を目安にしてください。
飲酒後、発熱時、外傷直後、体調がすぐれないときは控えましょう。妊娠中の方、骨粗しょう症や出血しやすい病気がある方、血液を固まりにくくする薬を服用している方は、事前に医師などへ確認してください。
就寝前にもできる首肩の5分セルフケア
ここからは、椅子に座った状態でも行えるセルフケアを紹介します。すべて行う必要はありません。体調に合わせて、できるものだけ取り入れてください。
- 呼吸しながら肩の力を抜く:約30秒
背もたれのある椅子に座り、ゆっくり息を吐きます。息を吐きながら肩を下げ、手の力も抜きましょう。 - 肩の上をやさしくさする:約1分
右手を左肩に置き、首の付け根から肩先に向かって、手のひらでゆっくりさすります。反対側も同じように行います。 - 後頭部の付け根に軽く触れる:約1分
両手の指の腹を、後頭部のすぐ下にある筋肉へ軽く当てます。骨を強く押さず、皮膚を小さく動かす程度にしてください。 - ツボ押しを取り入れる:約1分
肩井や天柱と呼ばれる位置に、指の腹を軽く当てます。5秒程度触れたらゆっくり離し、数回繰り返します。 - 肩甲骨を動かす:約1~2分
肩を前後に回したり、両腕を前に伸ばして肩甲骨を開いたりします。痛みのない範囲で、ゆっくり行いましょう。
首肩のセルフケアに取り入れられるツボ
ツボ押しは、東洋医学で伝統的に用いられてきたセルフケアのひとつです。感じ方には個人差があり、症状の改善を保証するものではありません。
正確な位置を探して強く押す必要はありません。周辺の筋肉に軽く触れ、心地よい場所を探す程度にしましょう。
肩井(けんせい)
肩井は、首の付け根と肩先の中間付近にあるとされるツボです。
反対側の手を肩に置き、中指や人差し指の腹で軽く触れます。深く押し込んだり、強くつまんだりせず、5秒ほど触れてゆっくり離しましょう。
天柱(てんちゅう)
天柱は、後頭部の生え際付近で、首の中心から少し外側にあるとされるツボです。
両手の親指を軽く当て、頭を後ろへ大きく反らさずに触れます。首の中央にある骨は押さないようにしてください。
ツボを押す強さと時間
ツボ押しは、痛みが出ない弱い力で行います。1か所につき5秒ほど触れ、ゆっくり離す動作を数回繰り返す程度で十分です。
押したときにしびれや鋭い痛みが出た場合は、すぐに中止してください。同じ場所を長時間押し続けることも避けましょう。
肩甲骨を動かす簡単なストレッチ
首肩のケアでは、首だけを動かすのではなく、肩や肩甲骨まわりをゆっくり動かす方法も取り入れられます。
肩甲骨を開く・寄せる動き
椅子に浅く座り、両腕を前に伸ばします。息を吐きながら背中を軽く丸め、肩甲骨を左右に開くようにします。
次に、ひじを曲げながら腕を後ろへ引き、肩甲骨をゆっくり寄せます。「開く・寄せる」を5回程度繰り返しましょう。
胸や肩に痛みが出る場合は、動きを小さくするか中止してください。
肩をゆっくり回す
両手を肩に軽く置き、ひじで小さな円を描くように肩を回します。前回しと後ろ回しを、それぞれ5回程度行いましょう。
肩を耳に近づけるほど無理に大きく回す必要はありません。呼吸を止めず、心地よく動かせる範囲で行うことがポイントです。
体を温めてから行うときのポイント
蒸しタオルや入浴で肩まわりを温めると、リラックスしやすく、筋肉を動かしやすいと感じる場合があります。
ただし、入浴直後にふらつきやのぼせがあるときは、すぐにセルフケアを行わないでください。水分をとり、体調が落ち着いてから座った状態で行いましょう。
熱すぎる蒸しタオルを直接肌に当てると、やけどにつながる可能性があります。温度を確認してから使用してください。
首肩の負担を減らす生活習慣
セルフマッサージだけでなく、負担のかかりやすい姿勢や作業環境を見直すことも大切です。
- 長時間同じ姿勢を続けない
- パソコン画面を見やすい高さに調整する
- スマートフォンを低い位置で見続けない
- 作業の合間に立ち上がる
- 肩をすくめていないか定期的に確認する
- 無理のない範囲で肩や腕を動かす
毎日必ず5分行わなければならないわけではありません。疲れている日は肩を数回回すだけにするなど、体調に合わせて続けやすい方法を選びましょう。
セルフマッサージをせず医療機関へ相談したい症状
首や肩の張りには、セルフケアだけでは対応できない病気やけがが関係していることがあります。次のような症状がある場合は、無理にマッサージやストレッチを行わず、医療機関へ相談してください。
- 転倒や交通事故などの後から痛みが出た
- 腕や手にしびれがある
- 手や腕に力が入りにくい
- ボタンを留める、箸を使うなどの細かい動作がしにくい
- 歩きにくい、足がもつれる
- 首や肩の強い痛みが続いている
- 安静にしていても痛む
- 発熱、腫れ、赤みを伴う
- 突然の激しい頭痛がある
- いつもと異なる頭痛や、ろれつの回りにくさ、物が二重に見えるなどの症状がある
- 胸の痛み、息苦しさ、冷や汗などを伴う
軽い症状であっても、セルフケアを続けることで悪化する場合や、長期間改善しない場合は、整形外科などで相談しましょう。
まとめ|首肩のセルフマッサージはやさしい力で行おう
首肩のセルフマッサージでは、強く押すことよりも、痛みのない範囲でやさしく触れ、肩や肩甲骨をゆっくり動かすことが大切です。
首の前側や側面、骨の上を強く押すことは避けてください。しびれ、筋力低下、激しい頭痛などがある場合は、セルフケアを中止して医療機関へ相談しましょう。
姿勢をこまめに変える、肩の力を抜く、短時間でも体を動かすなど、日常生活の見直しと組み合わせながら、無理のない範囲で取り入れてみてください。
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