道具なしでできる首こりのセルフケア|やさしいほぐし方と注意点

セルフケア・リラクゼーション基礎知識

PCやスマートフォンを長時間使った後に、首の重さやこわばりを感じる方は少なくありません。長時間同じ姿勢を続けることや、画面を見るときに頭が前へ出る姿勢などが、首や肩まわりの負担につながる場合があります。

軽いこわばりであれば、首を強く揉まず、肩を動かしたり、首の後ろをやさしく触れたりするセルフケアによって、心地よさや一時的なリラックスを感じることがあります。

ただし、首には頸椎、神経、血管などが集まっています。強く押す、首を勢いよく回す、音を鳴らすといった方法は避けることが大切です。セルフケアによる感じ方には個人差があり、症状の改善や治療を保証するものではありません。

首こりのセルフマッサージを始める前の注意点

セルフケアの目的は治療ではなくリラックス

この記事では、一般的な検索語に合わせて「セルフマッサージ」という言葉を使いますが、紹介するのは自分で行う軽いセルフケアです。

病気やけがを治療したり、首こりの原因を取り除いたりするものではありません。軽いこわばりを感じたときに、無理のない範囲で身体を動かし、リラックスすることを目的に行いましょう。

なお、施術として行われる「あん摩、マッサージ、指圧」は、国家資格であるあん摩マッサージ指圧師が行うものです。リラクゼーションを目的としたサービスとは制度上の位置づけが異なります。

首の前面や側面を強く押さない

首の前側や側面には、血管、神経、気道などがあります。次のような方法は避けてください。

  • 首の前面や側面を指で深く押す
  • 首の筋肉を強くつまむ
  • 脈を感じる部分を押す
  • 首の骨を直接強く押す
  • 首を勢いよく回す
  • 首をひねって音を鳴らす
  • 痛みを我慢して伸ばす

「強く押すほど効く」というものではありません。痛みや違和感が出ない、軽い刺激にとどめましょう。

症状があるときはセルフケアを行わない

次のような症状がある場合は、首を揉んだりストレッチしたりせず、医療機関への相談を検討してください。

  • 手や腕、脚にしびれや力の入りにくさがある
  • 首の痛みが腕や背中へ広がっている
  • 急に強い首の痛みや頭痛が起きた
  • めまい、吐き気、見え方の異常がある
  • 歩きにくい、ふらつく、手先を動かしにくい
  • 発熱や強いだるさを伴っている
  • 転倒や交通事故、スポーツなどで首を傷めた
  • 安静にしていても痛みが強い

突然の激しい頭痛、ろれつが回らない、意識がもうろうとする、片側の手足に力が入らないなどの症状がある場合は、緊急性の高い病気の可能性があるため、119番への連絡を検討してください。

首の病気で治療中の方、手術後の方、医師から運動を制限されている方も、自己判断で行わず主治医へ確認してください。

首のこわばりを感じやすくなる主な要因

長時間同じ姿勢を続けている

PCやスマートフォンを見ていると、頭が前へ出たり、肩が内側へ入ったりしやすくなります。同じ姿勢を長く続けることで、首や肩まわりの筋肉に負担を感じる場合があります。

姿勢を常に正しく保とうと力を入れ続けるのではなく、ときどき姿勢を変え、身体を動かすことが大切です。

休憩や身体を動かす時間が少ない

集中して作業していると、長時間ほとんど身体を動かさないことがあります。座り続ける時間が長い方は、定期的に立ち上がったり、肩を回したりして、同じ姿勢を続けないようにしましょう。

ストレスや睡眠不足が重なっている

精神的な緊張が続くと、無意識に肩へ力が入ることがあります。また、睡眠不足や寝具が身体に合っていないことが、首や肩の不快感と関係する場合もあります。

首だけを強く揉むのではなく、休息時間を確保し、寝具や作業環境を見直すことも大切です。

道具なしでできるやさしい首こりセルフケア

深呼吸をしながら肩の力を抜く

最初に、首を動かさず肩の力を抜きます。

  • 椅子に深く座り、足の裏を床につける
  • 肩を軽く持ち上げる
  • 息を吐きながら肩をゆっくり下ろす
  • 無理のない範囲で3〜5回繰り返す

肩へ力が入り続けている方は、この動作だけでもリラックスしやすくなる場合があります。呼吸を止めず、ゆっくり行いましょう。

首の後ろを手のひらでやさしくなでる

首を押すのではなく、皮膚の表面へ軽く触れる方法です。

  • 背もたれのある椅子などに楽な姿勢で座る
  • 手のひらや指の腹を首の後ろに軽く当てる
  • 髪の生え際付近から肩に向かって、ゆっくりなでる
  • 左右それぞれ5回程度を目安に行う

首の骨を押し込まず、手を添える程度にしてください。痛み、しびれ、めまいなどが出た場合は、すぐに中止しましょう。

肩をゆっくり後ろへ回す

首そのものを強く動かさず、肩甲骨まわりを動かす方法です。

  • 両肩をゆっくり耳へ近づける
  • 肩を後ろへ回す
  • 力を抜きながら肩を下ろす
  • 5回程度繰り返す

動かす範囲は、痛みのない範囲で構いません。勢いをつけず、呼吸を続けながら行いましょう。

首の側面を無理なく伸ばす

手で頭を強く引っ張らず、頭の重さを利用して軽く傾けます。

  • 背筋を無理なく伸ばし、両肩の力を抜く
  • 右耳を右肩へ近づけるように、頭をゆっくり傾ける
  • 左側の首筋に軽い伸びを感じる位置で10〜20秒保つ
  • ゆっくり正面へ戻し、反対側も同じように行う

痛みが出る位置まで倒す必要はありません。めまいや吐き気、手のしびれなどが出た場合は中止してください。

ホットタオルで首を温める場合の注意点

首や肩まわりを温めると、心地よさやリラックスを感じることがあります。ホットタオルを使う場合は、熱すぎない温度に調整してください。

  • 温めたタオルを広げ、熱すぎないか手で確認する
  • 首の後ろや肩へ数分程度当てる
  • 低温やけどを防ぐため、長時間当て続けない
  • 眠った状態で使用しない

皮膚に炎症や傷がある方、温度を感じにくい方、血行に関する病気で治療中の方は、自己判断で温めず医療機関へ確認してください。

首の負担を減らすPC・スマホ環境の整え方

画面の位置を調整する

画面を見るために頭を大きく下げ続けないよう、機器の位置を調整しましょう。

  • PC画面は目から40cm以上離す
  • 画面の上端を目の高さとほぼ同じか、やや下に調整する
  • ノートPCを長時間使う場合は、外付けキーボードなども検討する
  • スマートフォンは顔を下げすぎない位置で見る

無理に胸を張り続けるのではなく、椅子や机の高さを調整し、楽に姿勢を変えられる環境をつくることが大切です。

長時間の連続作業を避ける

情報機器を使う作業では、作業時間を区切り、小休止や姿勢を変える時間を設けましょう。

目安として、連続作業を1時間以内にし、作業の合間に10〜15分程度の休止を設けます。作業中にも1〜2回の小休止を取り、立ち上がる、遠くを見る、肩を動かすなどして同じ姿勢を続けないようにしましょう。

睡眠環境も一緒に見直す

身体に合う枕を選ぶ

枕は、高ければよい、低ければよいというものではありません。仰向けや横向きになったときに、頭と首を無理なく支えられる高さが目安です。

高すぎる枕や低すぎる枕では、首や肩に負担を感じる場合があります。朝起きたときに首の違和感が続く場合は、枕の高さや硬さを見直してみましょう。

就寝前のスマートフォン使用を減らす

就寝前に明るい画面を長時間見ることは、寝つきに影響する場合があります。寝る直前までスマートフォンを使う習慣がある方は、画面を見る時間を少しずつ減らし、寝室をできるだけ暗く静かな環境に整えましょう。

ストレッチやリラクゼーションによる感じ方には個人差があります。眠れない状態が続く場合は、セルフケアだけで対応せず医療機関へ相談することも大切です。

首こりのセルフケアを中止して受診すべきタイミング

119番への連絡を検討すべき症状

次のような症状が突然現れた場合は、セルフケアを中止し、119番への連絡を検討してください。

  • 突然の激しい首の痛みや頭痛
  • 片側の腕や脚にしびれや力の入りにくさがある
  • 突然歩きにくくなった、ふらつきが強くなった
  • ろれつが回らない、言葉が出にくい
  • ものが二重に見えるなど、見え方に急な異常がある
  • 意識がもうろうとする、呼びかけへの反応がおかしい

早めに医療機関へ相談すべき症状

次のような場合も、セルフケアを続けず、早めに医療機関へ相談してください。

  • 発熱を伴う強い首の痛みがある
  • 転倒や交通事故、スポーツなどの後から痛みがある
  • 安静にしていても痛みが強い
  • 症状が徐々に悪化している
  • 日常生活や仕事に支障が出ている

改善しない場合は整形外科などへ相談する

軽いセルフケアを行っても症状が続く、徐々に悪化する、日常生活や仕事に支障が出ている場合は、整形外科などの医療機関へ相談しましょう。

原因が分からない首の痛みやしびれについては、まず医療機関で状態を確認することが大切です。接骨院や整骨院で健康保険の対象となる場合があるのは、骨折、脱臼、打撲、捻挫などです。骨折と脱臼については、緊急時の応急手当を除き、あらかじめ医師の同意が必要です。単なる肩こりや筋肉疲労は、健康保険の対象ではありません。

リラクゼーションや施術を利用する場合も、医療機関での診断や治療の代わりにはならないことを理解し、資格やサービス内容を確認して選びましょう。

首こりのセルフマッサージは強く押さず無理のない範囲で行おう

首の重さやこわばりを感じたときは、首を強く揉むのではなく、肩の力を抜く、首の後ろを軽くなでる、肩をゆっくり回すなどの方法から始めましょう。

首の前面や側面を強く押す、筋肉を深くつまむ、勢いよく回す、音を鳴らすといった方法は避けてください。セルフケアは、軽いこわばりを感じたときの一時的なリラックスを目的とするもので、症状の改善を保証するものではありません。

しびれ、筋力低下、めまい、激しい頭痛などがある場合や、症状が長引く場合は、無理にセルフケアを続けず、医療機関へ相談することが大切です。

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